ターニングポイント“新大塚ばるばど”にて
by 店長 at 2003年 11月21日(金)
皆さ〜ん、こんにちは〜(*^o^*)/店長です。
先日、東京は日本橋三越本店にて三重県物産展が開催され、私、店長も初日だけですが接客をさせていただきました。
若おかみによると私を目当てにご来場されたお客様もいらっしゃったようで2日目からいなくなり申し訳ございませんでした。
当店納豆をご購入いただきました皆様、本当に有難うございました。また次回も参加させて頂きますのでご贔屓の程宜しくお願い申し上げます。
さて、その初日、私にとって大切な出来事がございました。
お昼から会場を抜け出し池袋〜新大塚方面へある方と一緒に(その方の立場上、もしかしたら名前を伏せておいたほうが良いかもしれませんので今回は伏せさせていただきますが私にとって大事な方・友人)丸の内線の新大塚駅前の珈琲館「ばるばど」へ入っていただきました。
「ばるばど」は東京でも有数の名店で常連のお客様に愛されている1日中雰囲気の良いお店です。
実はこのお店は私にとってかけがえのない特別なお店なのです。それは、私が納豆屋の実家に戻る前、学生時代から、そして社会人・正社員として働かせていただいた所なのです。私の青春時代であり、今の自分の人間としての基礎になっている修行時代なのです。
ところが、顔を出せない、訪問することが出来ない自分でした。それは破門・・「これまで積み上げてきたばるばどのノウハウを仕込んでやるから3年間はここで頑張れ!たとえ納豆屋がダメになっても珈琲店で生きていけるように・・」そう社長さんと店長さんはおっしゃって下さいました。ところが正社員になり修行8ヶ月・・私は東京を後にして松阪へ戻って行ったのです。
その理由はとなり町に大手納豆メーカーさんが工場進出し、状況の変化が激しくなり、私は跡を継がなければならくなったからですが、その時は理由も説明せずに店を飛び出しました(若気の至りか実家が危機に直面していると言えなかったのです)。当時お二人には恩知らずな人間と映ったはずです。
いまさらどのような顔でお二人の前に出られましょう?私には一生背負っていく負い目だったのです(それは後日の今だから判ったことなのです・その重さは荷を下ろした今だから実感できるのですね)。
何を焦っているのか?心が病んでいたのでしょう。東京にいた時の私と今の私は違う人間だと妻に事ある毎に言われ、最近、母に「性格変わったなぁ、短気になったなぁ」と言われドキリとしていました。それはたしかな事なのです。焦っていたのでしょう。よく考えてみますと「早く認められたい(誰に?)」「誰からも責められない自分でありたい(どうして?)」
浅い眠りでうなされる“あの時の状況”もっと良い選択があったのでは?幾度となく繰り返される修行している自分−もがいているのです。
ことごとくがある瞬間に向かって束ねられていきます。
「一緒に行ってもらえませんか?」心を汲んで・・・
新大塚に着いてためらう気持ち揺れ動く私に「・・・けじめは早いうちにつけなければ」と声をかける彼。
ドアの向こうにお二人が。私と顔を合わせ驚きながらすぐ落ち着きを戻す店内。そう、非常事態になってもいつも臨機応変に落ち着いて解決していたお二人があの頃と変わらずに。店内も変わらずに。
変わったのは私だけ・・成長したのか?スサんだのか?思う通りに口が動かない私(物産展ではどのような質問でもすぐ応対できるのに)無言になる私に近況を尋ねてくださる社長さん。カウンター席へ誘う店長さん。場の雰囲気を自然なものにと気を使うご一緒してくださった彼。
時間がゆっくり進むのは氷のような私の心が溶けていくから。
失われた青春が、殻に閉じ込め押し殺していた“あの時からの私”が少しずつ戻っていくのがわかる。
「じゃ、もう帰るヮ。久しぶりなんだからゆっくりしていきなよ。」と社長さん。
店長さんは「何に怒っていたのかもう忘れたヮ。あ、思い出した!おまえの送り出し会をオレん家でする予定だったのにドタキャンしやがったからだ!」と。そのような記憶は私にはなかったのです・・ワザとそのような話を・・「もう気にするなよ」と言っていただいたようで嬉しく涙が出そうになりました。
足りなかった心が充たされ「さぁもう出ましょうか」とレジへ。「コーヒー代は結婚祝だ。取っとけ!」と店長さん。アニキ分だったあなた、今も変わりません。親代わりだった社長さん。今も私の中では変わりません。私は店長さんへ一言「破門を解いてください」と。店長さんは「東京へ来たらいつも顔を出せよ。今度酒を付き合えよ!」と・・・。
私はようやく胸を張って言うことが出来ます「わたしは“ばるばど”で修行をしました!」と。
私はようやく次の自分と大切に付き合えます。
その日一緒していただいた彼は実は次のアポイントを犠牲にしてくれていました。どれだけの感謝をすれば・・・一生のお付き合いでお返しするしかございません。
大切な人々に出会い心ふれあい生きていける素晴らしさは何にも変えられません。
皆様、こんな私ですがこれからもお付き合いをお願いしますね。