「松阪から四季 納豆の如く」



納豆職人 奥野 敦哉

「第十六章 たぬみせ 三大祭り
納豆ばあちゃん祭り」
2ヶ月にわたり「たぬみせ三大まつり」について掲載をさせていただきました。
今月は三大祭りの締めくくり「納豆ばあちゃん祭り」について触れさせて頂きます。「たぬみせ(当店直売所)」では年間3回イベントを行います。5月の「たぬき祭り」、7月の「誕生祭〜納豆の日week=納豆祭り」、そして表題、「納豆ばあちゃん祭り」の9月です。三大祭りは毎年開催していきます。

 それぞれの祭りには性格を持たせてあります。
たぬき祭りはスタートイベントですので既成概念にとらわれず楽しい企画をしていこうというもの。
納豆祭りは年間メインイベントですので、とにかく盛大にイベントを開催しようというものです。

さて、納豆ばあちゃん祭りの性格ですが、この祭りは締めくくりイベントですから、ホッとするような、懐かしいような、何か余韻がある、そのような感じで考えています。
それは、この祭りの由来はタイトル通り、当店創業者さかゑおばあちゃんの誕生日から企画していること、また開催時期の9月というのが夏の終わりの寂しさをイメージすることです。それゆえにこだわるのは「私、奥野敦哉が幼い時に、おばあちゃんとの思い出にあること、子どもごころに嬉しかったこと、楽しかったことをベースに今の皆様に提供できたらなぁ」ということなのです。
忘れているだけかもしれない、時代風潮が違ってしまっているのかもしれない、でもこの日だけは童心で"たぬみせの世界"へいらっしゃい!

 たぬみせは"ぬいぐるみ"のお店でもございます。何かほのぼのとした雰囲気を出していきたいと思っております。お子様だけではありません、"成長して大人になったかつての子どもたち"もようこそ!!なのです。
今回の祭り開催時間は前回までのたぬみせ営業時間にあわせた10:00〜17:00ではなく、16:00〜21:00といたしました。

つまり、夜祭り(宵祭り)です。
私が子どもの頃は夜遊びする概念はありませんでした。
ですので、夜祭りに連れて行ってもらえるというのはすごくワクワクした思い出があります。

せっかくの夜祭りですから家族の皆様で楽しめるものを企画したく思い、考えます、夏のおばあちゃんとの思い出・・・。
昭和50年代、当店工場も今の半分の面積だった頃、敷地内は広く、草木が繁っていました。その片隅に折りたたみの広いビニール椅子(ビーチなどで広げているヤツですね)に幼い姉弟3人とおばあちゃんが座り、花火を楽しんでいたのを私は思い出します。
手で持つ花火=おもちゃ花火ですね。
線香花火や名前は分かりませんが色とりどりで火を吹き出すもの、バチバチときれいな色の火がはじけるものとか、おっかなビックリなネズミ花火などなど色々な種類の花火を目いっぱい楽しんでいたのですね。それも毎年です。私はおばあちゃんと姉弟と幸せでずっと変わらないようにと思っていました。

時は過ぎ、忙しい日常で花火をしなくなりずいぶんになります。
ここであらためて、花火は子どもだけしか、してはいけないものなの?いえ、大人もしていいのです。そう思い起こしてくださったのは愛知県西尾市の榊原花火の榊原さんでした。榊原さんは私の活動する青年会議所におきまして3年前に地域おこし事業の講師として松阪まで講演に来ていただいたのをご縁にお付き合いを始め、当店ホームページにリンクもさせていただいてもおります。お話をお伺いするうちに「打ち上げ花火は毎年見てるけど、しばらく(おもちゃ)花火やってないな〜。全く忘れていたな。久しぶりにやりたいな〜。でも、いい大人が恥ずかしいかも・・・。」と心の中で思いました。

でも榊原さんのホームページを見ている間に「大人も楽しめばいいんだよね」と思えるようになりました。それからいつか機会があればおもちゃ花火でイベントできたら良いなと考えていました。そのことも合わせまして、今回は「おもちゃ花火大会」を開催しようと決めたのです。花火に消費期限はありませんので、余ってもまた次の機会に使えばよいので気も楽です。
これを納豆ばあちゃん祭りの柱としまして、前回と同じく地元生産者の皆様に地産地消屋台出店をお願いいたしました。あと、夜の開催ですので祭り提灯ライトなどを借りて当日を迎えました。

納豆ばあちゃん祭りチラシ
当日は開始時間から徐々にお客様が集まってまいりました。
前回の歌手ライブと違い、押し寄せるという風ではないので、落ち着いて寄ってくるような感じです。
幸いなことに、近所に飲食店も数件新開店し、心配した夜の出足は大丈夫でした。

おもちゃ花火もイメージ通り楽しんでいただけました。
ただ、やはり、前回の有名人目当ての集客ほどはいかなかったので課題としてPRの方法をもう少し考えなければならないでしょう。
そのなかで、前回の時間1極集中であとの時間はあまりいない、差の激しい状況はクリアされ、有名人に頼らないで集客する、少しずつイベント認知の地力がついてきたような気がします。

開場前風景
新登場、おやつきゅうり(きゅうり漬物スティック)胡味堂
1年の祭りが終わり、いくつかの課題が見えてきました。
その中で、大きなジレンマが私の中に起こってきたことがひとつございます。開催日のことです。

今年は幸運なことに、由来となった開催日=5月29日(亡き父の誕生日)・7月10日(納豆の日)・9月3日(おばあちゃんの誕生日)は偶然に日曜、土曜に重なっていました。

開催曜日が平日になる来年からどうするか?納豆祭りだけはたぬみせ誕生日である7月2日から10日の間の日曜日という設定で良いのですが、他は・・・。祭りが始まる5月までは最初の設定として、その由来の日が重要で曜日は重要視しないと決めていました。「毎年のこと、たとえ平日でも決行します。
でも3回の祭りの一つは確実に日曜日になります。ですので、5月9月は期待しないでください、7月にその分たっぷり期待してください。」と考えていました。
しかし、3回祭りを終えまして、実際に考えを巡らせますと、付き合いで出店して頂いている生産者の皆様には出来る限りの誠意をお返ししたいし、やるからには良い思いをして帰って頂きたいので、平日で今より便宜が計れるのかと判断しますと、やはり土日に開催するべきとの思いに至ったのです。

つまり、たぬき祭りも納豆ばあちゃん祭りも期間中に訪れた土曜ないし日曜に開催すると設定を変更することにいたしました。

新設定として
@ たぬき祭り(5月22日〜29日にある日曜日)
5月の夫婦の日=22日から前社長である亡き父の誕生日である29日の間にめぐる日曜日に開催。

A 納豆祭り誕生祭〜納豆の日week(7月2日〜10日にある日曜日)
7月2日を誕生祭とし、7月10日が7と10で「納豆の日」。この2つの日を結ぶなかの日曜日に開催。

B 納豆ばあちゃん祭り(9月3日〜15日にある土曜日)
9月3日さかゑおばあちゃんの誕生日から敬老の日である15日の間にある土曜日の夜に開催。

皆が帰った後におもちゃ花火
新設定といたしましたが、状況により将来変わることもまだ考えられます。

日曜の昼が良いのか、土曜の夜が良いのかまだ判断ができないからです。
来年は今年と同じくたぬき祭りと納豆祭りは昼、納豆ばあちゃん祭りは夜で開催してみます。

それぞれの企画も今年良かったことは残しながら楽しいものを加えて考えていきたいと思います。

次回は「オーダーメイド納豆エピソード3」とまいりましょう。お楽しみに。


※ 株式会社 榊原花火 
〒444-0866 愛知県西尾市塩町16番地
TEL 0563-56-3888  おもちゃ花火マガジンhttp://www.hanabiya.com

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